ThinkPad L580を分解してみた|底面の外し方とSSD・メモリ交換の注意点
いつもShii:Re(シーレ)をご利用いただきありがとうございます。
今回は、Lenovoの15インチスタンダードモデルThinkPad L580を実際に分解してみた様子と、 作業時に気をつけたいポイントをまとめました。
Lシリーズらしくメンテナンス性は高いものの、底面カバーがやや堅めに取り付けられているのがL580のクセです。
SSD換装やメモリ増設、内蔵バッテリー交換を検討している方の参考になれば幸いです。

1. ThinkPad L580の特徴
ThinkPad Lシリーズは、ビジネス向けの中でもスタンダードラインに位置づけられるシリーズです。
L580は2018年に登場したモデルで、第8世代のCeleron/Core i3/Core i5/Core i7を採用した15インチタイプになります。
1993年発売の「ThinkPad 700C」から続く、弁当箱のようなシンプルなデザインや、 打鍵感のよいキーボード、そしてキーボード中央にある赤いポインティングデバイス「トラックポイント」も健在です。
本体はやや大きめで、重量もおおよそ1.8kg。リュックやカバンに入れて毎日持ち歩くには少し重さを感じますが、
その分堅牢性の高い設計と完成度の高いキーボードが魅力で、中古市場でも安定した人気があります。
2. ThinkPad L580を分解する際の注意点
ThinkPadはもともと「ユーザーが触れる」前提の設計
L580に限らず、ThinkPadはIBM時代からユーザー自身で修理・パーツ交換がしやすい設計になっています。
「FRU(Field Replaceable Unit:ユーザーが交換できるパーツ)」に該当する部品であればLenovo公式サイトから注文でき、メンテナンス用マニュアルも無料で公開されています(※パーツ注文は保守期間内のモデルが対象)。

作業前には、必ずBIOSの「Power」タブにある「Disable Built-in Battery」を選んで、 内蔵バッテリーを一時的に無効化しておくのがおすすめです。
これを忘れると、作業中の誤操作で電源が入ってしまい、本体の故障や思わぬトラブルにつながる可能性があります。
底面カバーは「堅め」なので、無理にこじ開けない
SSD・メモリ・内蔵バッテリーにアクセスするには、まず底面カバーを取り外す必要があります。
交換作業自体の難易度は高くないのですが、2018年前後のLシリーズ/Eシリーズは、 底面パネルがかなりしっかり固定されているのが特徴です。

ツメで強く噛み合っているため、マイナスドライバーなどで無理やりこじ開けようとすると、 ツメを折ってしまう/筐体を傷つけてしまうリスクが高まります。
実際に作業する際は、樹脂製の専用ヘラのような道具を使い、筐体を傷つけないよう少しずつ浮かせていくのが無難です。
SSDとRAMの仕様、内蔵バッテリーについて

L580がサポートしているSSDは2.5インチSATAのみです。
発売当時すでにPCIe接続のNVMe SSDが広まりつつありましたが、 スタンダードモデルであるLシリーズでNVMeが採用されるのは、後継機のL15 Gen 1からになります。
とはいえ、Microsoft OfficeやMicrosoft 365 Appsなどのビジネス用途が中心であれば、 SATA接続のSSDでも体感速度は十分。
NVMeより安価に入手しやすい点も含めて、コスト重視の構成には相性が良いストレージです。
RAMはPC4-21300規格に対応しており、最大32GBまで増設可能です。
最近のノートPCはRAMがメインボード直付け(オンボード)の機種も増え、 ThinkPadでもXシリーズはオンボード化が進みましたが、Lシリーズは現行モデルでもユーザーがあとからメモリを増設できる設計を維持しています。
内蔵バッテリーもネジとケーブルを外すだけで交換できます。型番は 「1AV463 / SB10K97611 / L17L3P52」。
純正品に加えてサードパーティ製の互換バッテリーも流通しているため、今のところ入手性は悪くありません。
3. 実際に分解してみた感想
ThinkPadは今の世代のモデルでもユーザーがある程度自分で手を入れられるよう設計されています。
その中でも、2018〜2019年ごろに販売されていたLシリーズ/Eシリーズは、 とにかく底面カバーがしっかりハマっている印象です。
無理に力をかけると、底面の固定ツメを折ってしまったり、 ヘラの入れ方を間違えて筐体を傷つけてしまう可能性が高いので、ここだけは慎重さが必要です。
逆に言えば、底面さえうまく外せてしまえば、ストレージ(HDD/SSD)やRAMの換装・増設、内蔵バッテリーの交換は拍子抜けするくらい簡単です。
メンテナンス性は高く、「手をかけながら長く使っていける」という点も、ThinkPadらしい魅力だと感じました。
今回の記事では難易度の高い作業は取り上げていませんが、 Lenovo公式のハードウェア保守マニュアルには、LCDパネルやキーボード、タッチパッドの交換手順も掲載されています。
ある程度スキルのある方であれば、そういったパーツも自分の手で交換・修理することができます。
関連リンク:
ThinkPad L580 ハードウェア保守マニュアル(Lenovo公式)
まとめ:ThinkPad L580分解のポイント
・ThinkPad L580は第8世代CPUを採用した15インチのスタンダードモデル
・底面カバーがかなり堅めに取り付けられているため、専用ヘラなどを使って慎重に外す
・SSDは2.5インチSATAのみ対応だが、ビジネス用途なら十分な性能
・RAMはPC4-21300/最大32GBまで増設可能で、現行Lシリーズにも通じる設計
・底面さえ外せば、ストレージ・メモリ・内蔵バッテリーの交換はスムーズに行える
分解はあくまで自己責任。ThinkPadの仕入れ相談はShii:Reへ
本記事の内容は、あくまで社内検証に基づく参考情報であり、分解作業を推奨するものではありません。
実際の分解・修理は必ず自己責任のもとで行っていただき、作業中の破損や故障には十分ご注意ください。
「自社で分解するのは少し不安」「メンテナンスしやすい構成でまとめて仕入れたい」など、
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