LIFEBOOK A579を分解してみた|難易度・注意点・法人向け中古PCの特徴を解説
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今回は、富士通の法人向けノートPCシリーズであるLIFEBOOK A579を実際に分解してみた様子と、その難易度についてご紹介します。
Aシリーズは堅牢性の高いビジネス向けモデルである一方、内蔵ストレージ(HDD・SSD)の交換作業はやや難易度が高めです。
「仕入れ後に自前でストレージ換装したい」「修理・部品取りのベースとしてAシリーズを活用したい」という方向けに、注意点や所感をまとめました。

1. LIFEBOOK A579の特徴
LIFEBOOK Aシリーズは、一般コンシューマー向けモデルを流用した製品ではなく、 最初から法人専用機として開発されたラインです。
2013年11月発売の「LIFEBOOK A574/H」以降、細かなデザイン変更はありつつも 基本設計は大きく変わっておらず、今回対象とするLIFEBOOK A579(2019年発表モデル)もその流れを汲んでいます。
法人向け「バリューライン」としての位置づけ
・法人向け専売モデルとして開発されているため、中古市場では比較的安価に流通
・富士通らしい堅牢性の高い筐体設計で、耐久性重視の現場にも向く
・コストを抑えた「バリューライン」に位置づけられ、筐体素材は主にプラスチック
・中古でよく見かける個体は、解像度がHD(1,366×768)のものが中心
いわゆる「ハイグレード機」ではないものの、ビジネス用途で必要十分なスペックと堅牢性を両立したモデルという印象です。
2. LIFEBOOK A579を分解する際の注意点
A579は、メモリとバッテリーについては比較的メンテナンスしやすい一方で、 内蔵ストレージ(2.5インチSATAのHDD/SSD)交換の難易度が高い点が特徴です。
メモリ・バッテリー交換は「工具いらず」で簡単

底面カバーを開けることなく、メモリ・バッテリーはドライバー不要でアクセス可能です。
- ・RAM・バッテリーともに、ツメで固定されたパーツを外すだけの構造
- ・日常的なメンテナンスや軽い増設であれば、分解リスクは比較的小さい
RAMの仕様はモデルによって異なりますが、A579では主にDDR4 PC4-19200規格が採用されており、 最大32GBまで増設可能です(一部Celeron 4205U搭載モデルのみPC4-17200相当に制限)。
内蔵ストレージ換装は難易度高め

一般ユーザー向けのLIFEBOOK AHシリーズと比べると、A579の内蔵ストレージ換装はかなり手順が多い構造になっています。
ストレージ交換に必要な主な工程は以下の通りです。
- ディスプレイのフラットケーブルの取り外し
- 無線LANアダプター(搭載モデル)の取り外し・アンテナケーブルの取り回し
- 内蔵光学ドライブのコネクター・ケーブルの取り外し
- メインボード固定ネジの取り外し
- キーボード・タッチパッドが載っている前面カバーを丸ごと外す
特に初めて分解する場合は、以下の点で破損リスクが高めです。
- ・キーボード・タッチパッドのフラットケーブルの折れ/断線
- ・ディスプレイ側のフラットケーブル断線
- ・無線LANアンテナケーブルの取り回しミスやコネクタ破損
作業自体は「構造を理解していれば難しくはない」レベルですが、初回はとにかく慎重さが重要です。
※A579のキーボードには白と黒があります。



液晶パネル交換・上半身ユニットの移植について
いったんここまで分解してしまえば、液晶パネル交換自体は比較的容易に行えます。
- ・前面ベゼルはツメが非常に折れやすいため、こじ開け時は要注意
- ・同一型番の「部品取り機」からディスプレイ上半身を丸ごと移植する方法もある
ただし、Aシリーズは型番のバリエーション違いが非常に多いため、
誤った型番のパネルを使用すると最悪ディスプレイパネルを破損するリスクがあります。
必ず「完全に同一型番の個体」から取り外したパネル・上半身パーツを使うようにしてください。
3. 実際に分解してみた感想と、Aシリーズとの付き合い方
富士通のLIFEBOOKシリーズ全体としては、メンテナンス性が比較的高く、分解しやすい機種が多い印象です。
しかし、今回ご紹介した法人向けAシリーズだけはやや例外的で、 そもそも「ユーザーが内蔵ストレージを後から換装する」ことをあまり想定していない構造になっています。
そのため、特に初めて挑戦する方は、想像以上に時間がかかったり、手こずる場面が出てくると思います。 一方で、基本設計自体は長年ほとんど変わっていないため、 一度Aシリーズの分解フローを覚えてしまえば、世代違い・近い型番にも応用が効くというメリットもあります。
部品取り用ドナー機としての魅力
Aシリーズは中古市場での流通量が多く、部品取り用のドナー機を入手しやすいのもポイントです。
- ・キーボード/液晶パネル/ヒンジなど、同一型番のパーツをまとめて確保しやすい
- ・ドナー機をうまく活用することで、修理コストを抑えられる可能性が高い
- ・仕入れの段階で「パーツ取り前提」でロット購入する戦略も取りやすい
仕入れ後にある程度の分解・修理を自社で行う前提であれば、Aシリーズはコストパフォーマンスに優れたベース機として活用しやすいと言えるでしょう。
まとめ:LIFEBOOK A579分解のポイント
・A579を含むLIFEBOOK Aシリーズは、法人専用設計の堅牢なビジネス向けモデル
・メモリ・バッテリー交換は工具不要で簡単だが、ストレージ換装は難易度高め
・分解時はフラットケーブル・アンテナケーブルの破損リスクに要注意
・基本設計が長年共通しているため、一度手順を覚えれば他モデルにも応用可能
・流通量が多く、ドナー機を活用した修理コスト削減にも向いている
分解はあくまで自己責任。仕入れと販売はShii:Reにお任せを
本記事の内容は、あくまで社内検証に基づく参考情報であり、分解作業を推奨するものではありません。
実際の分解・修理は必ず自己責任のもとで行っていただき、作業中の破損や故障については十分ご注意ください。
「自社で分解するのは不安」「なるべく手間をかけずに仕入れたい」という場合は、
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